見積書の落とし穴とプロの常識 [仕事]
新築住宅の設計やリフォーム工事についてまわるのが見積書。
今時、『掛かった分は請求して下さい』なんてことはありません。
新築工事の場合は融資の関係もありますがあくまでもトータルの金額がいくらであるか、予算の中に納まっているかが重要です。仮に予算オーバーとなった場合はまず、出っ張っている部分を削っていくことになります。(ただし、これは楽だからという理由では)具体的には照明器具、カーテン、お風呂、キッチン、便器など住宅本体に付けるものの金額を下げていくことになります。ただし、ここで削りきれなかった場合、建物本体を削っていくという、建設会社にとって手間のかかる部分、利益を削っていく部分に差し掛かります。通常の場合、ここまでは建設会社の見積もり担当者、営業担当者はやりたがりませんから、あまりギリギリの予算になっていくと、安っぽい照明器具、安っぽいキッチン、座り心地が悪く機能性が劣る便器が付いてみたりします。これでは完成後住み始めてからすぐに後悔の嵐が襲ってきます。
ただし、残念ながらこれが大多数の場合。
私が過去に工事をご一緒したある工務店の社長はこのようなことにならないように照明器具とカーテンは最初から見積もりしないそうです。
(ちなみにこの工務店は長野市内でもトップクラスのいい家を作っていますし、会社の倉庫に材料もたくさんあります。私はこの倉庫から床柱を選定するために、50本ほどの柱を見せていただきました。)
ここで削りやすいところから削るという落とし穴とプロ(工務店や建設会社の社長)の常識に差が出てしまうかもしれません。
事実、入念に打ち合わせをし、設計図に照明器具の品番やカーテンの品番まで決まった設計図を見た建設会社はまずその内容を変更する方向に走ります。設計図を実現しようという方向に走ってくれればいいのですが。
なのでハッキリと
『そのまま住める状態に』
と念を押しておく必要があります。工務店の社長に常識の壁を打ち破ってもらう必要があります。
これは最近、初めて経験したことですが、土地の売買についてです。
まず、不動産の契約書の穴だらけであることあること。というか責任逃れの文面ばかりです。ほとんどの方は住宅(建物)を建てるために土地を買うのにもかかわらず、そのまま建てられないことが結構あるのです。そして、そんなことは知らされず、私のような設計者も知らず(これは自分の経験不足、力量不足かもしれません)土地は売買され、実際に話が結構進んでから発覚したりします。不動産屋さんに言わせればこれがプロの常識なんでしょう。土地の値段が交渉の結果、かなり下がったりしたら、何かあるのかもしれません。
あくまでも目的は普通に家に住むこと。
住宅については消費者保護の観点からさまざまの法律も整備されていますが、まだまだ穴だらけ、その業界の都合によっての内容が多々あるように思います。
その業界の都合=責任逃れ。
プロの常識をぶち壊せるプロを家づくりのパートナーの選びましょう。
仮設住宅批判に反論 [もの申す]
これは先週のわが家の積雪状況です。場所は飯山市北部で先週、新聞紙上を騒がせた仮設住宅が建っている栄村と10数キロのところです。
平屋で積もった雪がすべり落ちる家ですが、娘の身長で屋根の軒先に届いてしまう程、雪に埋もれています。
平屋であるという条件を考えると仮設住宅と何ら変わりはありません。
仮設住宅は屋根がほとんど平らである
これが批判要素になっていますが、これには少々勘違いがあるように思えます。人が屋根に上るわけですから、斜めの角度が緩いほうが安全に決まっているのです。
私は数年前のスペシャルオリンピックス冬季長野大会の際の大会用のプレハブ建物の全ての工事と大会期間中の管理に携わりました。志賀高原の一の瀬スキー場のゲレンデ内に建てたこともありました。この間、雪下ろしや除雪作業をボランティアの方にしていただいています。大半は雪片付けに慣れていない人でした。人手はありましたので人海戦術です。ただし、素人だらけでは無理ですのでそこは慣れている山ノ内町の方など経験豊富な方を付けて作業しました。決して無理な作業はしない、複数人数で作業する。降雪時や夜間は作業しない。雪を貯めないようにマメに作業するなど配慮しました。慣れていない人が屋根の上に上がるという可能性がある場合、安全面で屋根がほぼ平らであることはここでは大きなメリットになりました。ただし、屋根が折板屋根という金属板を約16センチごとの山折に加工されているもので平面でないため、そこに足が入ってしまうとういう作業のしにくさはあります。
雪下ろしに関する事故も多数ありますが、今シーズン多いことについては作業のオペレーションの問題であると思うので、私の経験上は屋根の斜度でプレハブ仮設住宅が批判されれのは間違いだと思います。実際に作業に当たる方々に任せすぎなのです。
私も雪下ろしも雪片付けもします。その最中に屋根から落っこちたこともありますし、雪に埋もれてしまったこともあります。子供のころはツララを取りに屋根の先に近づいたりと今、思えば危険なことだらけでした。その体験からすると屋根の斜度というものは作業が安全に出来ない要素になります。道路ぎりぎりに建てられている家の屋根はこの斜度によって積雪が軒先へ押し出されてくるため雪庇(せっぴ)となって道路上にせり出てきます。当の家の居住者だけでなく道路を通行する人にも危険を及ぼします。ちなみに屋根の斜度がどんなにきつくても今年のように夜中に新雪が50センチ以上も降ってしまうような気象状況では雪が自然に落ちるという屋根形状も危険要素になってしまいます。
仮設と戸建て住宅を同列で見ることはできません。
プレハブ仮設は短期間での建設や大きな空間づくりに向いています。コストパフォーマンスの問題から屋根の斜度はほとんどありません。組み立て時に仮設足場を少なくできる、部品がリースで供給されるなど公共的なお金の使われ方の工事には最適とも言われています。つまり行政の体質に合っているのです。
ただし、どちらもデザインということに関しては脇においておかなければならないものも多々あることは共通しています。
仮設住宅を戸建て住宅に近づけようと試みている人はたくさんいますし、それを受け入れないのは行政の問題と言えるのではないでしょうか。
木造にこだわれ・こだわる? [仕事]
昨年末に私も40歳になり、建設業界に身を置いて20年目になります。10年前、当時勤務していた設計会社での給料が下がり、20歳で就職した初任給とほぼ同じになってしまうという事態と、試験に落ちてしまうということをきっかけにスキーメーカーにお世話になったりとありましたが、良い施主にめぐり合ったために設計の仕事に戻り、何とか過ごしてきました。弱小事務所で、免許も最低限ですから、ほとんど住宅の仕事しかしていません。今はこのままこの業界に居続けたいと思っています。
ここ数年は年に5、6の木造住宅を設計監理しています。大きかったのは木造在来工法しか知らなかった私が枠組み壁工法(わかりやすい通称はツーバイフォー工法)の住宅を設計し始めたことでした。在来工法では難しいものが可能になったりします。ただし、厳しい規制に縛られているため、開放的な華奢な空間づくりはできません。ただし、この規制を守ると、構造特性により耐震性に優れた気密性の高い住宅が実現できます。3階建ても木造在来工法よりも簡単に実現できるようです。
雪国で仕事をしていると、1階ガレージの上に木造が載っているスタイルの3階建てを設計させていただくこともありますが、1階部分が鉄筋コンクリート造か鉄骨造になることや要望されることが多くありますが、コストパフォーマンスが悪く、そして、敷地に余裕があるのであれば、3階建ての住居そのものに矛盾を感じざるを得ないのが今の私の感ずるところです。
一般的に住宅の予算を考えた場合、土地+住宅で3000万円がひとつの目安になると思います。長野市近辺であれば、土地1000万円+住宅2000万円ということになると思います。そして、先ごろ見学会をさせていただいた住宅もそうなのですが、4人家族で30坪前後という規模が想定されます。単純な坪単価計算でも60万円/坪となります。これでは建物の一部分に工事費が高い鉄筋コンクリートや鉄骨造が入っていてはどんどん住宅が小さくなってしまいます。
構造的に実現できれば全て木造で住宅を作ってしまった方が得ということになります。
先の長野県の栄村での地震や中越沖地震をみても地域柄木造住宅が多く、中には古民家つくりの家もあります。古民家つくりの家をはじめとした木造住宅(ほとんどが木造在来工法)は被害の大小はありましたが、建物が傾いて危険というような状況は少なかったと思います。その中でも特に被害が少なかったのは大きな材木をたくさん使っている住宅でした。私が生まれたころの木造住宅は3寸5分角の柱が多様されていました。今は4寸角が木材の市場で入手しやすく一般的であるので、木材の量は増えているといえますが、それでも昔のものに比べると少ない。古民家に比べれば効率化されています。
ちなみに地震の被害の中では木造と鉄骨造の建物が接続されていて、鉄骨造部分が動くことで、木造部分を破壊してしまっているものもありました。
地震被害の面から考えても全て木造で住宅を作ってしまった方が得ということになります。
さまざまなデザインは可能です。
樹脂サッシを入れ、断熱性を上げることで暖かく、頑丈な家は可能です。
だから私は木造住宅にこだわりたいと思います。
構造見学会 長野市若槻 [仕事]
構造見学会を開催します。
開催地は長野市若槻東条の長野市若槻支所駐車場の西隣の分譲地内です。
外観
内観部分の吹き抜けです。
駐車場が無いため近隣の徒歩圏内のかたのお宅のご案内のチラシを配布いたします。
今回現場で使用されている材料などの資料もご用意しています。
設計担当(私)ですが当日ご説明します。


























